仕上げ

長峰園のお茶作り > 仕上げ

-いつでも美味しく飲めるお茶作りを目指して-

新茶時期に製茶工場で生葉から加工された荒茶には、茎、粉、大型のお茶などが含まれています。こうした荒茶を篩分け・切断・火入れ等により、煎茶とする過程を「仕上げ」といいます。皆さんが普段お飲みになっているお茶は、荒茶を二次加工し、飲みやすく、貯蔵性を高めた「仕上げ茶」なのです。
長峰園では、「お茶本来の甘味と火入れにより生じる火香が調和したまろやかな味」のお茶に仕上がるように、じっくりと時間をかけた火入れを行っております。また時間をかけた丹念な火入れにより、長期間味の変わらない仕上げを心掛けています。
長峰園の仕上げ工程
総合機→電子電棒→唐箕→ドラム型乾燥機・遠赤外線火入れ機→合組み機
総合機
(荒茶)大型茶を除去
お茶の仕上げの第一歩。荒茶を様々な目の大きさの篩にかけて、お茶を選別します。大きい篩では、大型のお茶(硬葉)を取り除き、やや細かい目の篩では、お茶の本体を取り出します。一番細かい篩では、粉茶・芽茶などをとります。ここで篩い分けられたお茶は、それぞれ次の工程へと送られます。網の目の細かさをメッシュといいます。メッシュは、10号とか20号という言い方をします。これは一寸(約3cm)の間に何個の穴があるのかをあらわし、10号の場合は、一寸の間に10個の穴があるということになります。
電子電棒 (色彩式木茎分離機)
▲ 電子電棒
(本茶+茎茶)茎を除去
茶の表面の反射率つまり茶の表面の明るさの差を利用して、茶葉と茎を分離する機械。茎を除去する割合が高い一方で、時間がかかる工程でもある。ここで篩いにかけられた茶葉は、形の残ったピンと伸びた茶葉で、唐箕にかけられ、乾燥機へと進みます。
唐箕
▲ 電子電棒
(芽茶+粉茶)粉を除去
総合機により選別された細かいお茶は、唐箕にかけられ、芽茶と粉茶とに選別されます。唐箕は、お茶を薄く落としたところに風を当てて、軽いお茶を飛ばす機械です。重いお茶はそのまま下に落ちるので、風に飛ぶような軽いお茶を選別できるのです。芽茶は粉のようなお茶ですが、重いので風を当てても飛びません。粉茶は軽く、唐箕による風で飛ばされるために、風選されます。
ドラム型乾燥機
▲ ドラム型乾燥機
長峰園で現在使用している仕上げ用の乾燥機は、機械の上部で熱風による透気乾燥を行い、機械の下部で回転式ドラムによる火入れを行う機械です。回転式ドラムとは、中にお茶を流すための出っ張りがついた鉄製の円柱形の筒です。乾燥工程を経たお茶は熱せられた回転式ドラムの中をゆっくりと通過していきます。 この二つの工程の中で加熱され、お茶に火香がついたり、場合によってはお茶の持つ味が引き立たせられたりするのです。長峰園では、この工程をお茶の種類・季節・天候等により、時間と温度を変えて、火入れを行っています。
遠赤外線火入れ機
▲ 遠赤外線火入れ機
長峰園では、一般的なドラム型乾燥機の他に遠赤外線型火入れ機を仕上げ工程に用います。遠赤外線とは、炭火の発する熱と同類の熱源で、火力が弱くても大変に加熱効果の大きいのが特徴です。遠赤外線により生じる火香は、ドラムの加熱より生じる火香とまた別のこおばしさがあります。長峰園では、お茶の等級などにより、これらの機械を使い分け、すっきりとした後味で、それでいてまろやかなお茶に仕上がるよう心掛けています。ドラム型乾燥機・遠赤外線型火入れ機・お茶のもつ本来の甘さなどの様々な味・香りの要素がうまく調和したお茶ができるように日々研究中です。
合組み機
▲ 合組み機
(本茶+芽茶)
総合機により選別され、茎と粉を取り除かれ、回転式ドラム型乾燥機と遠赤外線型火入れ機により、それぞれ火入れされた芽茶と本茶(ピンととがったお茶)を混和する工程。合組み機が開発される前は、床でお茶を混ぜることもあったようです。合組機は2分間で約1回転するゆっくりとしたスピードで回転し、胴内部でお茶を混ぜます。時間にして10分以上入れておきます。写真の合組み期は500kgまでお茶の入るタイプです。総合機により分離されたお茶は、合組み機により混ぜられ、煎茶となります。
荒茶はこうした様々な仕上げ過程を経て、仕上げ茶となり、皆様のもとに届くのです。

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